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俯瞰
二週間して、母親の病名がわかったのです。
“悪性リンパ腫”
気づかないうちに病が進行していたんだと思うと、命の儚さを感じます。
そして自分もいつかは死んで行くのだとこんなに実感したのも初めてであります。

葬儀、手続き、がひと段落して、二週間ぶりにゆっくりすることができました。
たくさん寝た。
そして遺影用の額縁を買い、幸せそうだった頃の母の写真を現像しました。
葬儀では、遺影に使えそうな写真が見つからなくて、体を合成したものを使いました。
よくできていて母らしいのだけど、やはり体が他人のものというのが気になります。
だから遺影の横に、初めて孫を見た時の写真を置いた。
あの時幸せそうだったな、というのを見てれば少しはぼくの気持ちも救われるのです。
他の写真も見ていたら、母は小さい子供が好きだったんだなと思いました。

そして、気持ち悪いとは思いますが、時々母に話しかけるように独り言を言っています。
「おはよう」とか、「仕事終わったよ」とか。
母ひとり子ひとりというやつだから、甘えないようにしていたけど、自分は精神的なところではマザコンだったのかもしれないと思います。
やはり一対一なので結び付きは強く、いつも心のどこかに自分の幸せを一番に喜んでくれる人がいるという安心があった。
それが消えてしまった。
そしてじわじわと、ああ、親兄弟がいないんだな、という心細さも芽生えてきました。

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と、ここまで書いてから少し時間が経ち、俯瞰して見れるようにもなりました。
つまり、遅かれ早かれ自分もあちら側に行くんだということで。
しばしの別れだと思おう。
とはいえ、できればあと3〜50年は健康に生きてこの世を見届けたい。
できるかしら。
わからない。

本屋で見る本や、テレビで観るご高齢の方々は、概して明るい。
94まで生きたじいちゃんも明るかった。
通夜で集まった、じいちゃん方の親戚もみんな明るかった。
明るさと健康はきっと関係あるんだろうと思います。
それとも健康だから明るいのか?
希望があるから明るいのか?
それとも楽観的だから明るいのか?
よくわからないけど、老人の笑顔っていいなと思います。
とりあえず笑顔のある暮らしを心がけよう。

この機会になんとなく先を思うと、50代、60代、70代以降と、俯瞰して先が見えてしまいました。
そこをできるだけ楽しく、健康にやっていきたい。
もう、ほんとうにいい加減で、適当に余裕持って生き延びたい。
子供らに親が亡くなる経験をさせるのは、出来るだけ先延ばししたい。
そんな風に思うのです。

50代の節目がこねーなと思ってたら、こんな形で来てしまいました。
もう幸せの方に目を向けよう。
きっと心の痛みを持ったまま、素直でいられるはず。
   
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