じいちゃんの四十九日で広島に帰る途中。
のんびりビールでも飲みながら帰ろうと思ったが、寒波の襲来で電車の運休が気になり新幹線に飛び乗った。
おかげでビールも弁当も土産も買えず。

無事に今日中に着けるだろうか。


いろいろ考える。
人生ってなんだろうみたいな。

すごく身近な家族の死って初めてなので、ずっとモヤモヤしている。
いつまでも人って会いたい時に会える訳ではないのだなと。
もっと孝行できたのではないかとか。
曾孫を見せれて良かったが、一緒に暮らさせてやりたかったなとか。
後悔ではないのだけど、これからの人生の選択を考えてしまう。

じいちゃんは「幸せ」は愛する者がそばにいる事だ、と言っていた。

これからどうしようかな。


ななこは紅白をビデオに撮ったやつを見て、朝ドラの主題歌を「人生は〜♪」って歌っていた。
なつくんは目が合うとニコニコする。
どちらも可愛い。

僕はすでに親バカになってしまった。
こんなに可愛く人間が産まれて来るっていいな、と明るい気持ちになる。

なんか少しじいちゃんがなつ君に入っている気がする。
なつ君は名前をつける時に、じいちゃんの漢字をもらおうかと思ったが、やめた。
じいちゃんが安心して死んでしまっては嫌だったのて。
直太郎と一之介というのを考えててた。
でも、ふと思いついたナツナリは他にその名前を聞いた事なかったので、いいなと思った。
気に入ってくれるだろうか。

僕はよく、なつくんとななちゃんを言い間違えてしまう。

ななちゃんもとうさんかあさんをよく言い間違える。

最近は僕を「おとうたん」と呼ぶようになった。
おとうたんハイハイして、と言うのでハイハイをする。
待て待てと言うとキャーキャー言って逃げる。

それからおままごとで、とうたん召し上がれ、と言って食べさせられる。
魚と苺とスイカを一緒に焼いたヤツとか食べさせられる。
一応、おいし〜、と言うのだが。
魚と苺…

楽しそうに僕と遊んでくれる。