ななこが学校の自主学習ノートに家系図を書いている。
僕と、りえちゃんに共通の先祖がいるので興味を持ったようだ。
僕の母方のじいちゃんと、りえちゃんの父方のおばあちゃんがいとこで同級生なのだ。
なので僕は義父の方が血縁的にりえちゃんより近い。
不思議だ。
なんでこんな事になったのか。

僕が二十歳、りえちゃんが十九歳の時にライブハウスで対バンになった。
その時のライブは、今までで一番出し切った感があったので、よく覚えている。
その時は、りえちゃんと仲良くなった訳ではなかった。

だいぶ経って僕は、先輩が主催のライブイベントの裏方のお手伝いみたいな事をした。
その時、りえちゃんが出てた。
打ち上げで話してたら、昔、対バンしてた事が分かり、そこから交流が始まった。
お互いの音楽はいいなと思っていた。
その後、実家が隣町だと分かった。
だんだん恋愛みたいになってきた頃、じいちゃんの話をしたら、りえちゃんが驚いた。
子供の頃、僕のじいちゃんがりえちゃんの家に行き、よく長話をしていたらしい。
りえちゃんのおばあちゃんのとこに行ってたようだ。
これは、なんじゃろうな？と思った。
偶然すぎるな、という感じ。
やたらりえちゃんの歌声に惹かれたのは、血縁の懐かしさのようなんがあったんかな。
音に家系的なものはでるんかな？

そんな事があったので、僕も先祖が気になるようになった。
墓や仏壇によくお参りする。
もしかして先祖が引き合わせたのか、それとも前世みたいなんがあって、祖父の祖父の時代に生きていたんだろうか？
よくわからんが、何か人生に謎がある気がするのである。





学生服がじいちゃん、軍服がひいじいちゃんの軍三さん