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「ひしめきあい」

短かすぎる一日
遠からぬ声
耳をすませ
神経を集中させる
あのマグマのような遠雷がきこえるか
忘れじ歴史のうずもれた日常
幼き頃のおどろきは
容易にことを成し遂げる

町に出よ
人々の暮らしを呼吸しろ
はじめて出会った夢のよに
はずかしげもなくトキメキを
恋するように引きよせて
口からそっと発すれば
それらはひとつの歌になる

いみじくも我ら古代から
口から歌をはきだして
心のうちを音にして
惑う心をいさめたよ
春風が吹く午後ならば
一面野原の情景を
脳裏にそっと描いては
ひとときの夢を作るだろう

ガソリン満タンにした車
西の方へと駆けてゆく
おそろしいほど繰り返し
さすがに疲れが出てきたら
貧しき者のことを知り
一つのものに力をあずけ
わき目もふらずはたらいて
心に石を作り出せ

わからんかなとさまよって
時も間に間にすぎてゆく
ハチの針ほど人を刺し
わずかに心を揺さぶった
暑いなと思えば涼み
寒いなと思えば暖をとる
しごく当たり前のように振舞えば
湖は自然と満ちてゆく

草葉に潜みし空白は
明日のことなどかえりみず
手にした小銭はつかいきり
人の分まで夢を見る
ああ新しき求心よ
我の焦りをたぶらかし
ひとつかみほど虹を見せ
予想などは微塵もない
大きな墓にひざまずけ
足かけ5年に届く頃
その寂寥は身をつくし
初めから終わりにいたるまで
一つの絵巻となることだろう




   
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